静謐な空間

2019年12月17日火曜日

茶室に独り

 静謐さは、なかなか室内でしか得られない。

 もし自然の中で同じようなことを感じたなら、むしろ気をつけた方がいいぐらいだ。
 危険だと知らせるものがあるということだから。

 大地に抱かれる小さき人ではなく、
 気高く誇りある者として自身を見ようとするなら、室内で邪魔されぬほうがよい。



 穏やかだが厳しさのある静謐さは、作られた部屋、何もない部屋で感じられる。
 
 畳の部屋、それも寒い部屋がいい。

 そこそこ薄暗いとなおよい。



 そこに独り座っていると、見えないものが見えてくる。

 日本人のサムライとしての心が甦ってくる。


 ふと手を横に伸ばせばそこに刀が触れられるはずだ。

 慎重に掴み

 微塵もひるまず

 それを信じて

 抜け


 そして迷わず斬れ。



 前に進む吾ら。

 穢れに関わることなく、成すべきことを為せ。


 信義を果たせ。