武士道

相手の必ず目を見て頃せ

 最近、よくアメリカの兵隊が帰ってきてPTSDになったという話がある。  ベトナム戦争の頃よりもてきめんな率なのだそうだ。  アフガンに行ったかイラクかは知らないが、戦場体験がトラウマになって苦しみ、自ら命を立つ者もいる。  頃す時に相手の目を見ていないからいけ...

玄関から庭へ

玉砂利は踏んではいけない

 先日、踏み石をゆっくりひとつずつ歩く、それが茶会へ臨もうとする客がリズムとペースをしつけられているのだ、ということを書いた。  そして主人ならその茶室をよく理解して、茶会を仕立てなければならない、と。  もちろん。だから、玉砂利は決して踏んではいけない。  玉...

茶室でのこと

一輪挿しの花のこと

 茶室には一輪の花が挿してある。  活けてある花ではない。  茶室の花はそこに一輪だけ、そっと挿してあるだけだ。  美しさをめでるという意味はない。  茶室を洒落たデザインにする意味でもない。  それは生命を茶室に呼ぶための呼び水のようなものだ。  触媒...

玄関から庭へ

踏み石のこと

 茶室へ向かう時、寺でもどこでも、大きな庭を横に眺め、そして踏み石を踏んで向かう。  この踏み石というのが若い頃は苦手だった。  なにしろ歩幅が狭い。  そして置いてある石の間隔がいかにも中途半端に感じるから。  ひとつ飛び越して歩こうとすると撒かれた石を踏ん...

茶室でのこと

人の仕事を知っておくこと

 今でこそあまりないことだろうが、昔は見当違いな人にモノを頼むと露骨に嫌な顔をされたりした。  店員に売り場など尋ねれば案内係がいるじゃないか、そんな顔をされた。  あるいは、どうみても担当ではなさそうだが、どうせ同じ社員だろうと、探すのを怠けて頼みごとなどすれば、「...

茶室に独り

拭くということ

使った茶碗を布巾で拭く。  盆や茶匙を拭く。  金子銀子の螺鈿や漆もある。  茶碗にしても湯で洗ったのだから汚くはない。  減る。  痛む。  だから、拭くというのはそのフリ、所作をするというだけだ。  始末をつけるという心構え。  それを客に見...

茶室に独り

手を洗うということ

手を洗う。  あまり洗わないようにした方がよい。よく考えてから手を洗うよう習慣づけた方がよい。  とにかく洗うという気持ちがあったら、一度見つめ直した方がよい。  マクベスのように強迫観念から、手が汚れていると感じるのだ。  どこかしら後ろめたいことがあるのだ。...

茶碗を回す

裾を払って座る

 座る時、裾を払う。  着物でなくズボンであっても、裾を払う仕草だけでもするとよい。  そうすると着物でなくとも着物と同じ心構えが得られる。  自分の裾は払われるもの、敵に狙われるものだ。だからこちらからあらかじめ払っておいて狙われないようにしておく。 ...

茶室に独り

茶室を覗いてみよう

 日本のどこでも、地方自治体の地域センター、集会所と呼ばれる場所がある。  集会をしたり、選挙なんかの投票所としても使われる。  たいていの集会所には和室がひとつはあって、そこでお茶を立てられるようになっている。    それこそ、茶室だっていつも使われているわ...

茶碗を回す

茶道のココロ

ご飯をいただく。  一汁一菜、普段はできるだけ簡素なものがよい。  玄米、漬物、味噌汁。  他に少し何かつまむ佃煮ぐらい。  とは言え、今のご時勢、玄米なんかにしたらそちらの方が高い。  玄米をお勧めはする。  漬物の塩分などたかが知れている。  味...

自律神経

自律神経失調症とは

 「自律神経失調症」という病名が昭和の時代にやたらとハヤったことがある。  日常的な耳鳴りや、めまい、睡眠不足、イラつき、要するに体の調子が不安定になるということ。  ヘタをすれば医者は何かしらのクスリを処方すらしていた。  だから、いったいその自律神経...

自律神経

自律神経を鍛える方法

 自律神経を鍛える。  自律神経は精神を落ち着かせる能力となる。  感情をコントロールすることができる。  恐怖や激怒、正常な思考を妨げる心の動揺を抑えることができようになる。  方法は簡単だ。  夜、寝床で出来ること。  仰向けになって寝る準備...

茶室に独り

静謐な空間

 静謐さは、なかなか室内でしか得られない。  もし自然の中で同じようなことを感じたなら、むしろ気をつけた方がいいぐらいだ。  危険だと知らせるものがあるということだから。  大地に抱かれる小さき人ではなく、  気高く誇りある者として自身を見ようとするなら、室内で邪魔...

玄関から庭へ

自己研鑽し新しい時代へ

 自己研鑽を積み重ねて生きてゆく。それは心の平穏であり、不安はない。  最近は、やたらと孤独だ寂しいだなどと言うが、果たしてそれほど人に要求するだけのことがご自分にはどれだけできているのか。  まずはそれを考えるべきではないか。  眺めのよい庭は、毎朝早く、掃き掃除...

玄関から庭へ

吾、唯、足るを、知る

 「稽古とは、一より始め十を知り、十より戻る元のその一」  好きな言葉だ。  「吾、唯、足るを、知る」  (ワレ、タダ、タルヲ、シル)  意匠もあって、庭のシシオドシがとても気に入っていたのだが、最後に先生にこれを書いた茶さじを貰って、もっと深い味...