外から持ち込まれるもの

2020年4月12日日曜日

古式生活

 日本は昔から色々なものが外から持ち込まれた。


 仏教にしてもそうだし、鉄や青銅器もそう。


 都という都市の概念すら外から持ち込まれたものだ。


 そして鉄砲伝来。

 黒船。




 疫病もまた同じようなものだ。


 人類の歴史はウィルスとの共存の歴史でもある。


 流行病(はやりやまい)という言葉は、もちろんウィルスのことを指している。



 インフルエンザは何も現代になって発生したものではない。


 そうして抵抗をつけ、人間は生き延びてきた。




 外から疫病が村や地域社会に災厄をもたらさないようにと、橋という国境には石仏や稲荷が作られた。

 日本は川や豊かな水がある国だ。


 そこで祈願したものは内側の安寧である。




 石橋を作ったような時代にはもはや人身御供のような習慣はなかったから、そうした外部と内部を定め、安寧を祈願した。



 祭りがあれば、村はしめ縄で結界を張る。

 神にここが守られるべき場所であることを伝える。




 外から無法者がやってくれば人々は扉を閉め、息を殺して引きこもった。


 果敢に立ち向かう村人もいたろうが、あまりそのような話は残っていない。



 息をひそめてじっとしている時も必要だ。

 日本というひとつの村が今、危機に瀕している。