結界とは

2020年2月24日月曜日

古式生活

「結界を張る」という。


 「ここから邪は入ってくるな」という警告だ。

 警察が事件現場で結界を張る。

 「立ち入り禁止」。


 神社が祭りで所管の地区に縄を張る。

 「お祭りだ」。




 「邪」は邪気ということ。

 それが転じて「蛇」ということになった。


 だから蛇の文様で糸を編んで雨傘に飾った。

 それが「蛇の目傘」




 邪を成敗したり殲滅しようとしたわけではない。

 共存しようとした。

 だから結界の外であればこれを許した。


 人間の生活には限界がある。

 その限界の向うであれば好きにさせておけばよい。

 その赦しは仏教の慈悲でもあった。

 そしてその区分が結界というもので明確になった。



 ケジメをつけるということは、つけられない世界もあるということを知ることだ。


 それを知った上で我々は自分たちだけでもと、ケジメをつける。



 何事も区別なのだ。

 今はそれを避けようとする風潮がある。

 ケジメをつけられたくない、結界を張られたくない邪がこちらに入ってこようと煩く注文を付けているということ。



 我々は結界の意味をもう一度考えるべきなのだ。