迷い箸

2020年2月7日金曜日

食事

 みなでつついても、鍋を清潔に食べるようにする。

 だから「ねぶり箸」、箸を舐めまわすようなことはしてはいけない。



 では迷い箸はどうか。

 「どれにしようか」と、食卓や膳の上を箸をさまよわせる。

 これがいけないとされる。


 食事をするのにモノを掴む道具の箸だ。

 それを共同の大鉢などがある食卓の上をさまよわせれば、箸から雫か何かが落ちるかも知れない。

 不潔なことになる。

 単純にはそれが合理的な理由だろう。



 しかし、武士道としての心という点で捉えれば別の見方もできる。

 食事をするということは生きることだ。

 生きるために誰かを頃す。人は何かを殺めている。


 迷っていたらやられてしまう。

 食うために頃すのだ。迷うな。


 そのように食事もあらねばならないという心だ。



 潔さが日本人には尊重される。

 食事でさえ、日本人は人を見てしまう。


 油断してはいけない。