膳というもの

2020年1月18日土曜日

茶室でのこと

 膳というものがある。

 昔はテーブルやちゃぶ台ではなく、目の前に銘々の膳を置いてそこに飯碗、新香などで食事をした。


 正座の和室の生活から洋風の生活になり、今はほとんどの人がテーブルで食事をしている。

 正座して膳を前にして食事をすることはなくなった。


 だが、例えば、相撲を見ながら酌をしてもらっている時、ツマミを少しつまんで酒を呑んでいる時など、テーブル以外の部屋で食うときには意外と重宝する。




 これを使うと手が畳みから少し上に上がるので気持ちよく箸が動かせるからだ。


 今でも会席膳などでは出してくれる場合もある。


 座っている姿勢に対して少し窮屈になるのが下に置いた場合だ。

 畳をそば歩けばホコリが舞い上がる。

 食事には不都合だ。

 

 
 漆塗りにしてあり、それほどチカラがかかるものではないから軽い。収納しやすいよう大きさを変えてあるものもある。

 金箔が貼ってある豪華なもの、工夫があるものもある。

 朱色、黒に金、骨董系の店で探せば安くていいものが手に入る。


 旅館などとは違うのだからプラスチックのものでなく、骨董のホンモノを買って使うといい。


 ホンモノには本物らしい使い勝手というものがある。


 旅館などはそれを真似してそれっぽくするだけだからプラスチックになってしまう。


 男なら、ただ寛ぐにしても形を追求するべきだろう。