2020年7月23日木曜日

器の揃え

 器というのは食事をするのに大事なものだ。  現代はそれこそ、幅広く器を選ぶことができる。  器の世界には「民芸運動」というのがある。  結局、取り揃えるのが大事なので何もかもが漆や陶器、瀬戸物にしてもいけないのだ。  確かに江戸の時代はそんなことはで...

2020年7月20日月曜日

江戸時代 武士道

忍者とは

 忍者とはどのような存在だったか。  時には極端に誇張された物語にされてしまうことから、その実像はあまり定かではなくなってしまった。  「忍び」とも言われ、女性の忍びに関しては「くのいち」という言葉もある。  言葉がある以上はそうした人々がいたことは事実であ...

2020年7月11日土曜日

古式生活 江戸時代

日本人の心には悪魔がいない

 我々日本人にとって、邪悪さや悪魔というものはあまり近いものではない。  この現代の日本においてもそれは同じだ。  これに対して、キリスト教徒、アメリカ人などは「悪魔」という言葉に反応し、怖れる。  キリスト教徒は悪魔を怖れる。  織田信長が比叡山を焼き討ちにした時、彼は恐ろしい...

2020年7月3日金曜日

古式生活 江戸時代

印のこと

 江戸時代、印鑑というものはあまり使われなかった。  手書き文字でサインをして通用したというのは、主に大名や役人、社会階層としてはどちらかと言えば上層の人々でのことだった。  「直訴状」とか「血判状」などを出す時、庶民が「自分が認めた」「自分の責任においてこれを出す」という、その...

2020年7月3日金曜日

古式生活 江戸時代

銭のこと

お金のことを落語なんかでは「銭(ゼニ)」と言っている。  江戸の昔の生活では、庶民は今から見れば「古銭」を日常使っていた。  それは言ってみればコイン。  懐にしまってそれを使う。  日々の銭、毎日の暮らしはコインで足りた。  なけなしのカネでみなが暮らしていた。  細かい金なの...

2020年6月28日日曜日

古式生活 武士道

そりが合わない

 日本刀は、「鞘に収めること」を当然の前提としている。  そのままの刃物は「抜き身」と言ってよろしくない。  恥ずかしく下品、そして卑怯だ。   一度でも抜いたなら、斬るのが刀という殺人の道具だ。   それは本来なら西部開拓時代の拳銃でも同じだったろう。  この「鞘」というのは、...

2020年6月25日木曜日

古式生活 武士道

食事を出されるときのこと

 外食でもいい。客に呼ばれたとしてもいい。  我々はそうして、人に食事を出してもらうことがある。  出されたものに手をつける。  感謝し、礼節を持って応じる。  そこには時には薬味などがあって、それを自由に使えるようにされていることがある。  この時、出した女中や店主の目の前で薬...

2020年6月18日木曜日

自律神経 武士道

「穏やかに過ごす」ということ

 「穏やかに過ごす」と、人が言う。  よく隠棲した老人がそういう望みを口にしたりする。  しかし穏やかさとは呆けてしまうことではない。  そういう時、我々が大事にすべきこととは所作なのだと思う。  本を読んだり、手仕事をしたり、保存食の仕込をしたり、庭木の手入れをする。  それも...

2020年6月11日木曜日

古式生活 茶碗を回す

時計回りということ

どうぞ、と、主人が片手で目の前に茶碗を出してくれる。  いただきます。  客はそれをいただく。 茶碗を回して、いただく。  その意味はさておき、茶碗を回す時は時計回りに回す。  必ず時計回りだ。  山道を歩いていて祠などがその道を塞ぐようにして道の真ん中に通り道を塞ぐように建って...

2020年6月5日金曜日

茶室でのこと 武士道

胡坐で茶を点てる

あぐら。 先日の話の、先生が変わった作法を披露したことがあった。  石州流と言っていた。  確か石州流と言っていた覚えがある。  上田宗箇の宗箇流が武士の茶道と聞いた覚えがあって、変わった所作、独自のヒネったような作法が多かったから、もしかするとそちらだったかも知れないが、耳には...