古式生活 江戸時代 食事 武士道

一汁一菜の本来とは

 武士、すなわち男子たるものは「一汁一菜」を信条とすべきである。  それはあくまで「信条」であるから、理想でもあり、目標でもある。  日々の食事で実践しているかと言えばそこまでのものでもない。  「一汁一菜」とはご飯に野菜、そして汁だ。  ではその中味は何か。  例えば、タクアン...

古式生活 江戸時代 武士道

青海波について

 器や着物に使われる文様のひとつに青海波というものがある。  青を基調とし、文様は海の波、あたかもその無限な反復を意匠としたものだ。  こうしたものはいわばパターンであり、イギリスのペイズリー柄などと同じものである。  岡山県にある天柱山 頼久寺には、その遠州がデザインした庭があ...

古式生活 自律神経 武士道

胆力というもの

 一昨日のこと、夜に大きな地震があった。  長く感じる大きな地震だった。  無難に対応し、危険対応はした。  今はすっかり平常に戻っている。  冷静に対応したまでだ。  騒いでいる向きもあったがこちらは片付けを済ませ、すぐに何事もなかったようになった。    ...

古式生活 江戸時代 武士道

忍耐、我慢ということ

  この表題のことは、あまりに最近しつこく言われていることだから改めて考えてみるべきだろう。  それは忍耐、我慢ということ。  目下のコロナ感染拡大の折、その自粛や対策への協力について、人々には「忍耐が強いられている」などと盛んに言われていることだ。  「人々は我慢に耐えかねてい...

古式生活 江戸時代

長火鉢

 古来から、日本には「室内で火を使う」という習慣があって、炭を入れ、室内で暖を取ったり湯を沸かしていた。  それが火鉢というものだった。  火鉢にも色々とその種類はあるし、その使う炭にさえ種類があるという。  古道具屋に行けば状態のよい骨董の長火鉢は今でも売られているし、これ...

古式生活 江戸時代

鐘の音

  古来、ヨーロッパでは教会の鐘の音が届くところまでが領地であるとされた。  だから教会の設置には領主の許可が必要であり、時を知らせるだけではなかった。  集会、葬式、領主の視察など、各種の行事を伝えた。  すなわち西洋の鐘は、宗教という権威にありながら支配や統治というものから来...

古式生活 江戸時代 武士道

臭いで分かる

  男だ。  確かに男がいた。さっきまで。  男が、我々の家の玄関の前に暫く立っていた。  さっきまで。  外でタバコを吸おうと、玄関を出たらその臭いが分かった。  さっきまで、俺が中で茶を飲んだりしている時、その間中、そいつは玄関先で中をうかがいじっと外で立ってい...

古式生活 江戸時代 武士道

のぼり

 日本人は古来から「のぼり」が好きだ。  選挙で、商売で、広場で、公共のイベントの現場でその告知で、のぼりは現代でも日本のあらゆるところで活躍している。  日本を訪問した外国人はこの風景を見るとたいてい驚く。  その、領地を宣言しているようなまがまがしさに、日本人の内面の厳しいも...

古式生活 江戸時代 食事

馳走

 「ご馳走」などと云う。  あることのために「走り回ること」の意味であり、転じて客に供応をして料理をふるまうことを言った。  料理をふるまうために走り回ったからである。  「馳走する」とは、食事を中心とした「もてなし」をする意味である。  「料理をふるまうために台所を走り回った」...

古式生活 江戸時代 武士道

書の工夫

 「掛け軸の書」や「書額」というものがある。  書額はたいていは勢いや力強さが求められ、魂、意思などが伺えるものがよいとされる。  道場や広間に掲げられ、戒めや心得として人に訴えかける。  一方、掛け軸は主に茶室や床の間にかけられる。  眺めた時に穏やかさを与え、静けさを補助...