日本人は波を愛する民族である。
海に囲まれた民族であり、山がちな国には豊かな川がある。
その水の流れは波紋を描く。
青海波(せいがいは)というものが中国から入ってきて、日本人はそれも大いに気に入った。
刀を鍛えて自然に浮かび上がる波紋は芸術にまで高まり、戦争の道具としてだけではなく、武士の精神を支えるものとなった。
波はリズムであり、波は繰り返す日常であり、波は規則的で秩序がある。
米相場からは一目均衡表も生まれた。あれも波動というものを中心としている。
我々日本人は、そうした、森羅万象のサイクルを知る文化に生きている。
それからすれば我々日本人が農耕民族であることも不思議ではない。
季節が四季であり豊かなことも偶然ではない。
我々はそのような繰り返し、因果ということさえ知っている。
怯えず、慌てず、冷静に我々の今置かれた日常を受け止めるべきである。
それが日本人にはできる。
節度をもって危機に立ち向かうことが出来る。
ハレー彗星が見えた時、欧米では世界の終わりだと自殺者が出た。
しかし日本にはそのような記録はない。
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