古式生活 武士道

そりが合わない

 日本刀は、「鞘に収めること」を当然の前提としている。  そのままの刃物は「抜き身」と言ってよろしくない。  恥ずかしく下品、そして卑怯だ。   一度でも抜いたなら、斬るのが刀という殺人の道具だ。   それは本来なら西部開拓時代の拳銃でも同じだったろう。  この「鞘」というのは、...

古式生活 武士道

食事を出されるときのこと

 外食でもいい。客に呼ばれたとしてもいい。  我々はそうして、人に食事を出してもらうことがある。  出されたものに手をつける。  感謝し、礼節を持って応じる。  そこには時には薬味などがあって、それを自由に使えるようにされていることがある。  この時、出した女中や店主の目の前で薬...

自律神経 武士道

「穏やかに過ごす」ということ

 「穏やかに過ごす」と、人が言う。  よく隠棲した老人がそういう望みを口にしたりする。  しかし穏やかさとは呆けてしまうことではない。  そういう時、我々が大事にすべきこととは所作なのだと思う。  本を読んだり、手仕事をしたり、保存食の仕込をしたり、庭木の手入れをする。  それも...

古式生活 茶碗を回す

時計回りということ

どうぞ、と、主人が片手で目の前に茶碗を出してくれる。  いただきます。  客はそれをいただく。 茶碗を回して、いただく。  その意味はさておき、茶碗を回す時は時計回りに回す。  必ず時計回りだ。  山道を歩いていて祠などがその道を塞ぐようにして道の真ん中に通り道を塞ぐように建って...

茶室でのこと 武士道

胡坐で茶を点てる

あぐら。 先日の話の、先生が変わった作法を披露したことがあった。  石州流と言っていた。  確か石州流と言っていた覚えがある。  上田宗箇の宗箇流が武士の茶道と聞いた覚えがあって、変わった所作、独自のヒネったような作法が多かったから、もしかするとそちらだったかも知れないが、耳には...